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   うちの両親は
俺が小さい頃から共働きで
母さんの仕 
事が長引いた日の晩や
土曜日の昼のご飯は
三人居る兄弟の 
一番上の兄のカナメ兄ち
んがよく作
ていた
    
 始めの内は拙いながらもレシピを見ながら
その内に冷蔵庫 
の中に有る物で大体まかな
て作られた料理は
母さんの作 
る料理とは少し違
でも美味しくて
          
 そんな料理を食べて育
た俺は
いつかカナメ兄ち
んに俺 
が作
た料理を美味しく食べて貰おうと
中学に入る頃には 
調理師学校に進もうと心に決めていた
           
                             

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迷宮の入り口                    
                             
 狩りの時間だ
                   
 夜の闇を凝縮したような影に覆われた路地裏は
ある種の結 
界が張られたように人の侵入を拒んでいる
とうな精神の 
持ち主ならば
その暗闇にあえて入ろうとは思わないだろう
 
だが
そこには例外が二人いた
              
 獣のような血生臭さすら漂う一人は
赤い目を闇の中に際立 
たせていた
荒く乱れた息
全身を硬直させ
威嚇し
もう一 
人を睨みつけていた
その目の輝きは人間のそれとは明らかに 

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 全ての鳥が凍死して地に墜ちる夜だ
苔と灰とが降り積 
もる見捨てられた土地で
シトルダルは目を覚ました
巨人族 
の末裔として知られる彼も三百年の眠りのうちに縮小して
も 
う人の背丈の二倍ほどしかない
起きあが
た彼の躯は弱い静 
電気を帯びており
ぼんやりと光の靄に包まれている
寝てい 
た時から彼の躯は薄い光を発していた
だから彼が潜り込んで 
寝ていた丘は
その辺りを行き交う行商人たちの陸灯台とな
 
ていたのだ
                       
                             
                             

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 サンタ
マリア
レ聖堂の側通りにタクシ
が止 
まる
白とブル
のプジ
古風な町並みによく合
てい 
石造りの低層ビルがひしめき合うロ
テルミニ駅のす 
ぐ近くである
                      
 乗客は一人の少年だ
金色の髪と蒼氷石の瞳を持つ十代 
半ばの美少年で
やたら目を引く
美少年であることはともか 
国際線タ
ミナルから一人で現れた少年と言うのは極めて 
珍しい
                         
 訝しが
たタクシ
の運転手は
はじめ少年を乗せることを 
たが
少年がシチリア訛りのイタリア語を返したことに
 

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飲食系アンソロジ
 なないろ世界の食歩記
たべあるき
 ◆作品冒頭サンプル◆                  
                             
 キ
魔女
木べらでじ
くり       
うンまいジ
ムの
その半分
世津路 章         
                             
 最後の一個もむき終えて
クラリ
サは裸にな
た果実を置 
きました
                        
 山のようにあ
た果物たちはどれもこれもきれいに皮をむか 
ブルの上に並べられています
その様を見てクラリ
 

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 グラタンをつくれば                   
                             
                             
 俺の友人
ダチ
は料理が上手い
            
 だからこんな燻
くすぶ
てる気分の時は
奴の飯を食う 
に限る
                         
 古めかしいデザインのアパ
トの階段を上がる
ごんごんご 
とち
とガタがキてそうな階段を
未だ消えないモヤモ 
ヤと共に踏みつけて
たどり着いたのは最上階
       
                             

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