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 砂漠が過ぎ去り
まばらにではあるが植物の姿が見えるよう 
にな
てきた
このまま進めばやがて大河にぶつかり
その先 
の大地は深い森に覆われていることだろう
その赤茶色と緑が 
入り混じる大地を
重量感のある黒い車両が突き進んでいた
 
                             
国境線
その名の通り
国の境に線路を敷く電車である 
正確には
国の境に線路を敷いていた
電車であ
  
 確かに六十年前の大戦争以前
国境線
が敷かれた当初は 
国境線上を走
ていた
しかし戦争で疲弊した国
終戦後 
も戦前のような国威を保つことが出来なか
は領土を 

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  私は
森のなかのとある館に向か
ていた
親友のクリ 
ブラ
ドレ
が亡くなり
遺言によ
彼の館が 
私に託されたのだ
親友
かつてはそうだ
       
                             
引き返せ
おまえにそれを受け取る資格はない
      
 心のなかに響く声が
私の足を重くさせた
だが私は来てし 
彼が家族もなくた
た一人で
七年間何をしていたの 
確かめずにはいられなか
たのだ
           
                             
                             

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...
あきらつかさ  
                             
 楽屋代わりの小部屋に入
て来るなり
彼女が言
   
きイエロ
演や
てたの
どなたですか       
 
                          
 
                           
 丁寧語は崩しきらない
だが明らかに言いたいことがあると 
                           
 た調子
                        
                             

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 龍の雛たちの遊び騒ぐ声が
どこからともなく聞こえている
 骨網はその声が好きだ
               
 そこは名も持たない園だ
                
 龍の雛たちを育てる
この世に唯一の園である
      
 骨網はただひとりの世話役であり
龍の雛たちの面倒を見る 
ことが職務だ
いつか園を離れる日がくるのだと
そこか 
ら目を逸らして日
を過ごしていた
            
                             

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捕まえろ
 ミス
ゲシ
タルトだ
          
 大きな商人の家の周りを何人もの警邏隊が取り囲み
更にそ 
の周りに街の人
が集ま
ている
             
 彼らの視線は
商人の家の屋根の上に向けられている
そこ 
にいるのは
大きな袋を持
た一人の少女だ
彼女は顔の上 
半分を猫の仮面で覆い隠し
ペチコ
トの代わりに膝丈のキ 
トと鳥籠のようなクリノリンを穿いた上に膝丈のロ
ブ 
フランセ
ズを纏
ている
          
 彼女が袋の中から紙の束を取り出し
屋根の上からそれを撒 
いた
                          

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この国は随分と活気に溢れてるね
 腰の高さほど 
の大きな銀色の狼を連れた黒衣の少年が
賑やかな街の市場を 
見渡しながらそう言うと
狼が口を開いた
         
この国の王
兎と言
たかな
              
 兎王は大きな河から水を引
てきて
国中が水に困らな 
い様にしたんだと
                    
 だからこの国では農業がし易い
             
 それでこれだけ活気があるんだろうよ
          
 狼が喋
ているのに気がついた市場の人が何人か驚いて少年 
達を見ているが
当の本人達はそう言
た事には慣れている 

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