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 マンデリン
または孤独のカフ
             
 有村行人                        
                             
 ●喫茶室ルノア
飯田橋
              
 ウ
ブブラウザを起動して
ルノア
ルでググ
てみる
最 
上位はピエ
スト
ルノア
ルではない
銀座ル 
ノア
ルである
あの印象派の大家はその次で
キペデ
 
アへのリンク
下方にスクロ
ルすれば
西欧民宿ルノア
ル 
というのもある
阪神大震災で生き残
た建物で宝塚にて営業 
中というが
男である俺が女子専用の宿に泊まれるわけもなく 

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 その店は迷宮百貨店と呼ばれている
           
 看板に意味不明な絵しか書かれていないため正式名称は誰も 
知らない
代わりに付けられた通称が迷宮百貨店
縮めると迷 
                           
 事情を知らない者に迷宮百貨店と言う名前を告げると
内部 
がち
と入り組んでいてわかりづらい店なのだろうと思われ 
実際はそれどころの話ではない
店舗内が本当に迷宮 
にな
ているのだ
                    
 訪れた者は皆その複雑な造りに惑わされる
たりとした 
歩みを続ける少女もまた
そんな迷宮を彷徨う迷い子の一人だ 

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 あたしはもう死ぬのかな
と思
           
 先刻までお留守番をしていた筈なのに
急に家が大きく揺れ 
たと思
たら
身体が何処かに落ちていた
何が起こ
たか判 
らないまま
気が付くと
もう周りは真
暗にな
ていた
  
 身体の上に何か重い物が乗
ていて
そのせいで動けず
全 
身が踏み潰される様に痛い
目にゴミが入り涙が流れてきて
 
ぽくて咽せた
目を擦りたいけれど
動くのは指と首だけ
足は何処にあるのか判らない
               
 お父さんとお母さんは何処に居るのだろう
そう思
て 
大声で呼ぼうとしたけど
声が上手く出せず
寂しそうな犬の 

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 ふと振り返れば
眼下には白い墓石がいくつも並んでいた
 
 小さな丘を登り切
て少し歩いたところで
私は足を止める
木の陰に隠すように
膝の高さに届くか届かないかという大き 
さの黒い石が置かれていた
その前に膝をついて
抱えていた 
百合の花束をそ
と下ろす
両親はこの白い花がとても好きだ 
とも
父の故郷では死者に手向ける花でもあるのだ 
と苦笑交じりに語
ていたけれど
             
 この国では
死者は王家が管理する共同墓地に眠る
あの白 
い石は高価ではないが平民には手に入らないもので
故人が確 
かにこの国の民であ
たと
王が認めた証なのだという
罪人 

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 姉妹                   
                             
   
                         
                             
 雲ひとつ浮かんでいない
澄み切
た空
吸い込まれそうな 
くらい深い青
                      
 空が高く感じられるのは空気が乾燥しているからだというが
そんな新聞の生活面記事の一言コラムなどはこの際どうでもい 
この空に映える景色の美しさは
到底言葉で言い表せるも 
のではない
むしろ
人間の陳腐な言葉で表現してはいけない 

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午前十一時が開店時間だ
 
 十時になると二階の自宅から降りて
一階にある店の掃除を 
始める
タンブラ
にコ
をいれて
たまにそれを飲みな 
がら
                          
 開店と同時に来るお客様など居ない
それでも十一時き
か 
りに開けるのが
私の美学だ
               
 クラシ
クをゆ
たり流しながら
看板を外に出す
開店ま 
であと十五分
それまでは入り口の掃除でもしていよう
   

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