夏祭り
- 著者
- 吉宗
- サークル名
- 空想少年はテキストデータの夢を見るか?
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- 発行
- 2011/11/03
- ページ数
- 36頁
- 判型
- 文庫版
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- 定価
- 100円
- あらすじ
- 夏。 間違えようのないほど、夏。
暑い。この昼空からはこれでもかというほどの太陽光線が、人間を苦しめる為だけかのように降り注がれている。真夏日がこうも続くと、涙や汗も出てこない。
この夏休みの中頃という日に、ボクは床に倒れていた。
別に病気とかじゃない。床が冷たくて気持ちいいだけだ。このままごろごろとして今日と言う一日を終わらせたい。夏休みの課題……知ったことか。
そんな折、家の中で電子音が鳴り響いた。電話の着信音。しかしだからといって、起き上がる気なんてものは毛頭ない。二階にある自分の部屋から、どうして電話なんて取りに行かなければならないんだ。そんなもの、一階のリビングで我が家唯一のクーラーを占領している下着姿の姉に任せればいいんだ。
コールが五回鳴って、ようやく止まった。やっと出たのか、寝てて気づかなかったのか。どっちかなって考えるよりも眠たくなってきたなあとか思っていると
「電話だよぉ~」
と、気の抜けた声が下から聞こえてきた。
ああ、前者だったうえに目的はボクだったか・・・と溜息をひとつ。
「ボクはいないよー」
とか言ってみる。しかし返事は
「いるって言っちゃったよぉ~」
だった。仕方ない、と呟きながら立ち上がると、頭を掻きながら階段を下り、リビングに入りソファーの上でごろごろとしている姉を横目に受話器を手に取った。
「もしもし、ボクだけど」
吉宗の問題作一作目
ボクと友達の夏休み一日だけの物語
駄文でも構わない人は是非どうぞ