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 くくるちさまを満たすための日
の決まりごとは
正直なと 
ころ面倒になることがある
                
 ひとつひとつは些細で
だからこそよけいに面倒になるのか 
もしれない
                       
 双葉は針に糸を通し終わると
それを枡のなかに落としこん 
                           
 無言で立ち上がり
庭に降りていく
           
                             

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 あたしはもう死ぬのかな
と思
           
 先刻までお留守番をしていた筈なのに
急に家が大きく揺れ 
たと思
たら
身体が何処かに落ちていた
何が起こ
たか判 
らないまま
気が付くと
もう周りは真
暗にな
ていた
  
 身体の上に何か重い物が乗
ていて
そのせいで動けず
全 
身が踏み潰される様に痛い
目にゴミが入り涙が流れてきて
 
ぽくて咽せた
目を擦りたいけれど
動くのは指と首だけ
足は何処にあるのか判らない
               
 お父さんとお母さんは何処に居るのだろう
そう思
て 
大声で呼ぼうとしたけど
声が上手く出せず
寂しそうな犬の 

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   いち  色
来ました                
                             
                             
 ある地方にあるある都会
そこには
場違いな建物が建
て 
いた
                          
いつ見ても
違和感抜群だな
         
 それは
殆ど独り言を言わない俺ですら
独り言を言
てし 
まうほどに不自然だ
                 
 おかえりなさ
               
                             

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幸福の香りにはさわれない
全文
  あずみ      
                             
 客間の布団を畳んで一階に降りると
挽きたてらしい珈琲の 
香ばしい匂いが
リビングのとびらを抜けて階段ポ
チまで広 
ていた
おれは反射のように足指を丸め
なんだか言葉に 
ならない
胸のざわめきを知
             
 ふ
と息を抜いて
細長い曇り硝子の埋ま
たとびらを開け 
ると
焼き立てパン
バタ
果物
グラニ
糖の香り 
なんかが一気に押し寄せてきて
寝不足もあいま
くら
 

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 その日
ト監獄の前は夥しい人で埋ま
ていた
 
 毎週月曜日が恒例の公開処刑の日であるので
この日はいつ 
も人で賑わうのは常ではあるのだが
いつにもまして人が多い 
のには二つの理由があ
                
 一つは
もうすぐ絞首刑が公開ではなくなるという噂がある 
こと
処刑場面などという
本来であれば見せしめの意味合い 
があるにもかかわらず
他に娯楽のない一般人が物見遊山で見 
に来ることに
いい加減人道的に問題があると今更ながら気づ 
いた政府が
止めさせる方向で動いているということである
 
そのため
見られなくなる前にと
絞首刑の日に押しかける人 

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 青白い夜明けに支配された朝の景色
窓から見渡す家
の屋 
根や
電信柱が白みがか
て見える
            
 遠くを渡
ていく鳥の影とのコントラストがやたら綺麗で
 
小さな点にな
てやがて見えなくなるまで
その姿を追
てい 
                           
 そのまましばらく呆然としてから
手元に目線を落とす
  
 手の中にある銀色の平べ
たいアルミ袋を破ると
青い楕円 
形の錠剤が出てくる
                   
 それを掌に出し
口の中に水を含んでから放り込んだ
じわ 
じわと口の中に広がる苦味を確かめてから喉を鳴らし
ごくり 

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